高輝度 LED で動画撮影用ライトを作ってみた Part 3/6: ライト作製編【DIY・電子工作】

どうも、ゼロ・インピーダンスの Kenn です。

今回は、動画撮影用のライトを作るシリーズの第 3 回です。もし前回までを見ていないのであれば、ぜひ第 1 回からみてください。

前回は、ライトとスタンドの設計図を作成し、AC アダプタの改造をするところまでやったので、今回はライトの作製からやっていこうと思います。

ライト部の作製

以下、ライトの作製風景です。詳しくは動画をみてください。

video1-1.jpg

↑ 放熱用のアルミホイルの貼り付け

video2-1.jpg

↑ LED の配線

video3-1.jpg

↑ LED の実装と配線作製

video4-1.jpg

↑ 電源の配線

はい、とりあえず作ってはみたんですが、思ったよりも大変でした。

LED に導線を直接はんだづけするというやり方でやったんですが、かなりやり辛いですね。

そういう配線の仕方は想定されていないと思うので、金属の端子部分が狭くて導線が外れたり、はんだごてで間違ってプラスチック部分を溶かしちゃったりということが、よくありました。

実は、作っている最中に気づいたことがあって、こういう銅箔テープと呼ばれるものがあるんですよ。

copper-foil.jpg

このテープを使ったら、もっと簡単にはんだづけできるのではないかと思いました。

ちょっと図で説明すると、これは上側が断面図、下側が上面図なんですが、

layout.png

まずダンボールの上に放熱用のアルミホイルを載せて、その上に \( 2\,\mathrm{mm} \) くらいに細く切った銅箔テープを貼り付けます。そして、上に LED を載せて、両側を銅箔テープとはんだづけすれば、表面実装のように楽にはんだづけできるのではないかと。

ちなみに、銅箔テープは銅でできているので電気は流れて、はんだづけもできますし、裏面に接着剤がついてあるので普通のテープみたいに簡単に貼り付けられます。

ちょっと気になるのは、銅箔テープの厚さが(僕が見た中での最小値で)\( 0.007\,\mathrm{mm} \) だということで、さすがにそれだと無視できない抵抗値になりそうな気がするので、はんだを持って増強しようと思います。

では、やってみます。

追記: 作製動画が紛失してしまったので、作製後の写真のみです。

after.jpg

定電流回路

LED の特性として、電圧が低いうちはほとんど電流が流れなくて、ある電圧を超えると指数関数的に電流量が増加するというのがあります。

例えば、次のグラフは適正電流が \( 20\,\mathrm{mA} \) のものですが、だいたい \( V_F = 3.3\,\mathrm{V} \) 付近でちょうどいい感じになるんですが、\( 3.5\,\mathrm{V} \) の時点で定格の 2 倍くらいの電流が流れるのが分かると思います。

iv-graph.png

電流が流れすぎると発熱によって LED が壊れてしまうので、何らかの方法で電流を制限する仕組みが必要になって、それを定電流回路といいます。

ただ、このグラフを見ただけだと、「定電圧回路でもいいじゃないか」と思うかもしれないんですが、実は定電圧回路だと問題があります。

次のグラフは、LED の中心温度と順方向電圧の関係を表したものですが、

dv-graph.png

例えば、温度が \( 55\,\mathrm{^\circ C} \) のときに \( -0.1\,\mathrm{V} \) とあるのは、温度が \( 55\,\mathrm{^\circ C} \) のときに、さっきの I-V グラフが左に \( 0.1\,\mathrm{V} \) だけズレるという意味です。

さっきいったように、LED は電圧がちょっと大きくなっただけで電流が大きく増えるので、グラフが左にズレると、同じ電圧でも電流がかなり増えてしまいます。

つまり、定電圧回路で電圧を一定にしても、LED の温度が上がると電流がたくさん流れてしまい、壊れる可能性があるってことです。

初回の動画の温度測定でも分かりましたが、LED が点灯すると簡単に \( 30\,\mathrm{^\circ C} \) から \( 50\,\mathrm{^\circ C} \) くらい温度が上がります。すると、温度が上がり、電流がたくさん流れ、それによってさらに温度が上がり、さらに電流がたくさん流れ、……、という負のスパイラルが起きて、大したことなさそうでも発熱によって LED が壊れたりします。

こういう現象を『熱暴走』と呼ぶんですが、定電圧回路ではだめで、定電流回路が必要になる理由です。

定電流回路の仕様

  • \( 17.3\,\mathrm{V} \le V_\mathrm{IN} \le 18.5\,\mathrm{V} \)
  • \( I_\mathrm{OUT} = 120\,\mathrm{mA} \)

定電流回路に必要な要件ですが、まず、AC アダプタの出力が \( 17.3\,\mathrm{V} \) から \( 18.5\,\mathrm{V} \) くらいまでブレることが分かったので、どの電圧になっても大丈夫なようにします。

出力電流量は、LED の最大電流量の \( 120\,\mathrm{mA} \) にしますが、あくまで最大で、これより小さく設定することもできるようにします。なので、最大電流量が少ない LED を使う場合でも、調整をすれば、この定電流回路はそのまま使えます。

ちなみに、LED 1 列ごとに 1 つの定電流回路が必要になるので、合計で 10 回路必要になります。

定電流回路の設計

はい、では回路図を作ってみました。

schematic.png

仕組みとしては、電流検出抵抗とオペアンプとトランジスタを使ったシンプルな定電流回路です。


まず、左上の \( V_\mathrm{in1} \) というところを LED を点灯させる電流が流れます。

\( V_{CC} \) はオペアンプへの電源供給です。

そして \( V_\mathrm{REF} \) は、流す電流量を決めるための基準となる電圧で、後で説明します。


定電圧回路の仕組みとしては、まず \( V_\mathrm{IN1} \) に電流が流れると、抵抗器 \( R_{S1} \) に端子間電圧が発生します。

\( R_{S1} \) の端子間電圧は流れている電流の量に比例して大きくなる(オームの法則)ので、端子間電圧が基準電圧よりも大きくなったら、つまり電流量が多くなった場合、オペアンプがトランジスタの出力を絞って、電流を少なくします。

逆に、端子間電圧が基準電圧よりも小さくなったら、つまり電流量が少なくなった場合、オペアンプがトランジスタの出力を増やして、電流を多くします。

こういうふうに『多くなったら少なくする、少なくなったら多くする』ということを短時間で何度も繰り返して、だいたい定電流にするという仕組みです。


ちなみに定電流回路といった場合、トランジスタを LED より上流におくハイサイド駆動と、トラジンスタを LED より下流におくローサイド駆動の 2 種類があります。

一般的にはハイサイド駆動のほうが使いやすいことが多いと思うんですが、今回は単純な使い方で、使いやすさに違いはないかと思い、設計がしやすくてパーツの入手も楽そうなローサイド駆動にしてます。


次の図ががユニバーサル基板上のレイアウトです。

univ-layout.png

回路図は 1 回路分でしたが、これには 2 回路分入ってます。

パーツの選定

では、今回使うパーツについて説明します。

パーツ型番定格
\( R_S \)汎用品\( 1\,\mathrm{\Omega} \), \( 20\,\mathrm{mW}+ \)
\( U \)LM358なんでも
\( Q \)S8050\( 400\,\mathrm{mW}+ \)
\( R_B \)汎用品\( 10\,\mathrm{k\Omega} \), \( 30\,\mathrm{mW}+ \)

まず、電流検出用の抵抗器 \( R_{S1} \) ですが、これは \( 1\,\mathrm{\Omega} \) であれば何でもいいです。

今回はたまたま手元にあった \( 1\,\mathrm{W} \) 品を使ってますが、実際には \( 20\,\mathrm{mW} \) 以上あれば十分なので、\( 1/8\,\mathrm{W} \) 品でも OK です。


次に、オペアンプには LM358 を使います。

lm358.jpg

オペアンプには 1 個数百円とかする高級品もありますが、今回はたいしたことをするわけじゃないので、たぶん一番やすいであろう LM358 で十分です。


電流を絞るためのトランジスタには S8050 というもとを使います。

s8050.jpg

ここはそこそこ消費電力が大きそうなので、小信号用の 2SC1815 とかだどギリギリだめだと思います。

S8050 にしたのは単に僕が以前買ったトランジスタセットに入ってたのが余っていたからで、\( 400\,\mathrm{mW} \) 以上の定格であれば何でもいいです。

ただ自分で使っておいてなんですが、S8050 はデータシートの記述があまり詳しくない気がするので、もしこれから購入するなら BC337 とかがいいんじゃないかと思います。ピン配置は違いますけど、ちょうど逆なので、180 度回転させればそのまま使えます。

定格確認

簡単に、定格を満たしていることを確認していきます。

名前 定格 説明
名前 定格 説明
\(\boldsymbol{R_S}\)
\(\boldsymbol{I_{R_S \mathrm{(max)}}}\)\(\boldsymbol{120\,\mathrm{mA}}\)\(\boldsymbol{R_S}\) の最大電流
\(\boldsymbol{P_{R_S \mathrm{(max)}}}\)\(\boldsymbol{1.00\,\mathrm{W}}\)\(\boldsymbol{14.4\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{R_S}\) の最大消費電力
\(\boldsymbol{R_B}\)
\(\boldsymbol{V_{R_B \mathrm{(max)}}}\)\(\boldsymbol{15.8\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{V_{R_B}}\) の端子間電圧の最大値
\(\boldsymbol{I_{R_B \mathrm{(max)}}}\)\(\boldsymbol{1.58\,\mathrm{mA}}\)\(\boldsymbol{V_{R_B}}\) の最大電流
\(\boldsymbol{P_{R_B \mathrm{(max)}}}\)\(\boldsymbol{125\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{25.0\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{V_{R_B}}\) の最大消費電力
\(\boldsymbol{Q}\)
\(\boldsymbol{V_{CE}}\)\(\boldsymbol{25.0\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{2.00\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{Q}\) の C-E 間最大電圧(正常時)
\(\boldsymbol{I_C}\)\(\boldsymbol{120\,\mathrm{mA}}\)\(\boldsymbol{Q}\) のコレクタ電流
\(\boldsymbol{P_C}\)\(\boldsymbol{240\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{Q}\) の消費電力
\(\boldsymbol{\Delta T_J}\)\(\boldsymbol{48.0\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{Q}\) の上昇温度
\(\boldsymbol{T_J}\)\(\boldsymbol{150\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{88.0\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{Q}\) の温度
\(\boldsymbol{U}\)
\(\boldsymbol{V^+-V^-}\)\(\boldsymbol{32.0\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{18.5\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{U}\)\(\boldsymbol{V^+}\)\(\boldsymbol{V^-}\) の差

まず、電流検出抵抗 \( R_S \) です。

流れる電流の最大は LED に流す \( 120\,\mathrm{mA} \) です。

抵抗値が \( 1\,\mathrm{\Omega} \) なので、電流かける電流かける抵抗値で消費電力が計算できて、\( 14.4\,\mathrm{mW} \) です。

定格が \( 1\,\mathrm{W} \) なので余裕で OK です。


次に、オペアンプからトランジスタのベースにつながるベース抵抗 \( R_B \) です。

\( R_B \) にかかる最大電圧は、オペアンプの出力から、トランジスタの \( V_{BE} \) を引いたものです。LM358 の場合、出力の最大電圧は電源電圧ひく \( 1.5\,\mathrm{V} \) なので、今回の場合 \( 16.5\,\mathrm{V} \) です。

それから \( V_{BE} = 0.7\,\mathrm{V} \) をひくと \( 15.8\,\mathrm{V} \)。これが \( R_B \) にかかる電圧です。

\( R_B = 1\,\mathrm{k\Omega} \) なので、\( R_B \) に流れる電流は \( 1.58\,\mathrm{mA} \) です。

消費電力は、端子間電圧かける電流量で \( 25\,\mathrm{mW} \) になります。

定格は \( 125\,\mathrm{mW} \) なので、こっちも余裕で OK です。


次に、トランジスタの定格です。

まず、C-E 間の電圧ですが、5 コの LED に電流が流れるので、LED の端子間電圧を \( 3.3\,\mathrm{V} \) とすると 5 つで \( 16.5\,\mathrm{V} \), 電源電圧の最大値 \( 18.5\,\mathrm{V} \) から引いて \( 2\,\mathrm{V} \) が C-E 間にかかる最大電圧です。

S8050 の C-E 間の定格電圧は \( 25\,\mathrm{V} \) なので、OK です。

コレクタ電流は LED に流れる \( 120\,\mathrm{mA} \) で、C-E 間電圧とかけて、消費電力は \( 240\,\mathrm{mW} \) です。

S8050 の熱抵抗値は \( 200\,\mathrm{^\circ C/W} \) なので、上昇温度は \( 48\,\mathrm{^\circ C} \).室温を \( 40\,\mathrm{^\circ C} \) とすると、PN 接合部の温度は \( 88\,\mathrm{^\circ C} \) になりますが、定格温度は \( 150\,\mathrm{^\circ C} \) なので大丈夫です。


最後に、LM358 ですが、LM358 のプラス電源とマイナス電源の差の定格は \( 32\,\mathrm{V} \) です。

今回は、最大で \( 18.5\,\mathrm{V} \) なので、定格を満たしてます。

オペアンプには他にもたくさん定格値がありますが、今回の用途では確認しなくてもいいと思います。

基準電圧発生回路の仕様

では次に、定電流回路で使う基準電圧の発生回路について考えていきますが、仕様は単純で、\( 120\,\mathrm{mV} \) 付近の電圧を安定して出せれば、それだけでいいです。

基準電圧発生回路には専用の IC が売られているので、TL431A とかを持っているのであれば、それを使ったほうがいいんですが、残念ながら僕はいま持っていないので、ツェナーダイオードを使って自作しようと思います。

基準電圧発生回路の設計

回路図を作ってみました。

schematic-1.png

簡単に説明すると、ツェナーダイオードで \( 5.1\,\mathrm{V} \) を作って、それを抵抗器で分圧するというやり方です。

ツェナーダイオードを電源に直結すると、ほぼショート状態になって燃えてしまうので、電流制限のために \( R_1 \) を入れてます。LED と同じ理由ですね。

今回のツェナーダイオードでは \( 5\,\mathrm{mA} \) 程度の電流を流したときに電圧が安定するらしいので、\( R_1 \) の抵抗値を \( 2.2\,\mathrm{k\Omega} \) にしてます。

ユニバーサル基板上のレイアウトはこんな感じです。

vref-layout.png

定格計算

では、また簡単に定格計算をしていきます。

名前 定格 説明
名前 定格 説明
\(\boldsymbol{R_1}\)
\(\boldsymbol{V_{R_1}}\)\(\boldsymbol{12.9\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{R_1}\) の端子間電圧
\(\boldsymbol{I_{R_1}}\)\(\boldsymbol{5.86\,\mathrm{mA}}\)\(\boldsymbol{R_1}\) の電流量
\(\boldsymbol{P_{R_1}}\)\(\boldsymbol{250\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{75.6\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{R_1}\) の消費電力
\(\boldsymbol{R_V}\)
\(\boldsymbol{R_V}\)\(\boldsymbol{41.5\,\mathrm{k\Omega}}\)\(\boldsymbol{R_V}\) の抵抗値
\(\boldsymbol{V_{R_V}}\)\(\boldsymbol{4.98\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{R_V}\) の端子間電圧
\(\boldsymbol{I_{R_V}}\)\(\boldsymbol{120\,\mathrm{\mu A}}\)\(\boldsymbol{R_V}\) の電流量
\(\boldsymbol{P_{R_V}}\)\(\boldsymbol{125\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{598\,\mathrm{\mu W}}\)\(\boldsymbol{R_V}\) の消費電力
\(\boldsymbol{R_2}\)
\(\boldsymbol{I_{R_2}}\)\(\boldsymbol{121\,\mathrm{\mu A}}\)\(\boldsymbol{R_2}\) の電流量
\(\boldsymbol{P_{R_2}}\)\(\boldsymbol{250\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{14.6\,\mathrm{\mu W}}\)\(\boldsymbol{R_2}\) の消費電力
\(\boldsymbol{I_\mathrm{rate}}\)\(\boldsymbol{3.00\,\mathrm{\%}}\)\(\boldsymbol{0.62\,\mathrm{\%}}\)出力電流の割合
\(\boldsymbol{Z_1}\)
\(\boldsymbol{I_{Z_1}}\)\(\boldsymbol{5.74\,\mathrm{mA}}\)\(\boldsymbol{Z_1}\) の電流量
\(\boldsymbol{P_{Z_1}}\)\(\boldsymbol{29.3\,\mathrm{mW}}\)\(\boldsymbol{Z_1}\) の消費電力
\(\boldsymbol{\Delta T_J}\)\(\boldsymbol{8.79\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{Z_1}\) の上昇温度
\(\boldsymbol{T_J}\)\(\boldsymbol{175\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{48.8\,\mathrm{°C}}\)\(\boldsymbol{Z_1}\) の温度
\(\boldsymbol{C_1}\)
\(\boldsymbol{V_{C_1}}\)\(\boldsymbol{25.0\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{5.10\,\mathrm{V}}\)\(\boldsymbol{C_1}\) の端子間電圧

まず、\( R_1 \) からですが、端子間電圧は入力電圧 \( 18\,\mathrm{V} \) からツェナー電圧 \( 5.1\,\mathrm{V} \) をひいた \( 12.9\,\mathrm{V} \) です。

\( R_1 = 2.2\,\mathrm{k\Omega} \) なので、オームの法則で電流量 \( 5.86\,\mathrm{mA} \) と出せます。

消費電力は端子間電圧かける電流で \( 75.6\,\mathrm{mW} \) になって、定格が \( 250\,\mathrm{mW} \) なので OK です。


次に \( R_V \) ですが、これは半固定抵抗なので抵抗値を \( 100\,\mathrm{k\Omega} \) まで自由に変えられますが、出力を \( 120\,\mathrm{mV} \) にするなら、\( R_V = 41.5\,\mathrm{k\Omega} \) になります。

端子間電圧は、\( 5.1\,\mathrm{V} \) を分圧して \( 4.98\,\mathrm{V} \), 電流量は \( 120\,\mathrm{\mu A} \), 消費電力 \( 598\,\mathrm{\mu W} \) なので、定格の \( 125\,\mathrm{mW} \) を余裕でクリアしてます。


次に、\( R_2 \) ですが、端子間電圧は出力電圧の \( 120\,\mathrm{mV} \), 電流は \( R_V \) と同じ \( 120\,\mathrm{\mu A} \) です。

消費電力は \( 14.4\,\mathrm{\mu W} \) なので、定格の \( 250\,\mathrm{mW} \) を余裕で満たしています。

ちなみに、この回路の出力は 3 つのオペアンプ LM358 の入力端子につながってるんですが、LM358 の入力バイアス電流は \( 250\,\mathrm{nA} \) です。

3 つ併せると \( 750\,\mathrm{nA} \) になるんですが、\( R_V \) に流れてくる電流に対する割合は \( 0.62\,\% \) になります。

この割合が出力電圧の誤差につながるんですが、個人的には \( 3\,\% \) 以内なら OK かなと思います。


次に、ツェナーダイオードですが、電流量は \( 5.74\,\mathrm{mA} \) です。

端子間電圧は \( 5.1\,\mathrm{V} \) なので、消費電力は \( 29.3\,\mathrm{mW} \) になります。

熱抵抗値が \( 300\,\mathrm{^\circ C/W} \) なので、上昇温度は \( 8.79\,\mathrm{^\circ C} \)

室温が \( 40\,\mathrm{^\circ C} \) のとき、ツェナーダイオードの中心温度は \( 48.8\,\mathrm{^\circ C} \), 定格温度が \( 175\,\mathrm{^\circ C} \) なので余裕で OK です。


最後に、キャパシタです。

端子間電圧はツェナーダイオードと同じ \( 5.1\,\mathrm{V} \) で、定格が \( 25\,\mathrm{V} \) なので、これも OK です。


では、定電流回路と基準電圧回路を作っていきます。

以下、作製風景です。詳しくは動画をみてください。

video1-2.jpg

↑ 基準電圧発生回路の実装

video2-2.jpg

↑ 定電流回路の実装

video3-2.jpg

↑ 実際のライトを使った動作確認

コントロールボックスの作製

さっき作った定電流回路・基準電圧発生回路を格納するためのコントロールボックスを作っていきます。

以下、作製風景です。詳しくは動画をみてください。

video1-3.jpg

↑ プラダン(プラスチックダンボール)で箱型を作ります。

video2-3.jpg

↑ 定電流回路と基準電圧発生回路を固定します。

video3-3.jpg

↑ 回路同士を配線します。

video4-2.jpg

↑ 基準電圧を \( 120\,\mathrm{mV} \) 付近に設定します。

video5.jpg

↑ 動作確認をします。

ソケットの作製

次に、スタンドとくっつけるソケットの部分を作っていきます。

以下、作製風景です。詳しくは動画をみてください。

video1-4.jpg

↑ ソケット部分を作製し、

video2-4.jpg

↑ ライトに取り付けます。

video3-4.jpg

↑ ソケット-コントロールボックス間の配線をします。

まとめ

はい、では今回はここまでにしようと思います。

次回は、LED の明るさを調整する回路を設計するところからやっていこうと思います。

ここまで見てくれてありがとうございました。よかったら動画もみてください。

      2019/09/12

 - 電子工作