ノートを撮影する撮影台を作ってみた Part 1/10【電子工作・ダンボール工作】

どうも、ゼロ・インピーダンスの Kenn です。

今回は、教育動画向けに、数学などのノートを撮影するための撮影台を作製していこうと思います。

動機: 教育系 YouTuber を目指す

僕はいま、工作系とかプログラミング系の YouTuber をいまやってるんですけど、中学生とか高校生に数学を教える活動をしたいっていう別の目標もあります。仕事でもボランティアでもいいんだけど、もともと YouTuber をやっているわけだから、手始めに数学の教育系の YouTuber として教育動画を出していこうかなって考えてる。

みなさんも知ってるかもしれないですけど、教育系の YouTuber さんって既に何人もいらっしゃるんですよ。

それで、参考にしたいと思って、いろんな人の動画を見るんだけど、黒板とかホワイトボードを使って授業形式の動画を作っている人が、すごく多い。『授業』っていったら、黒板かホワイトボードだからね。でも、僕は黒板もホワイトボードも持ってないし、部屋に物が多すぎて置くためのスペースもないんです。

それで、「どうしたよっかな」「もしかして無理なのかな」って悩んだりもしたんですが、あることに気づきました。

「いっそのこと、紙に書いて家庭教師スタイルの動画を作るのもアリなんじゃないか」と。

それだったら、紙・ペン・スマホがあれば動画を作れるわけですからね。しかも考えてみれば、数学の答案って期末テストとか入試とかはふつう紙に書くわけだから、むしろそっちのほうが自然な可能性すらある。

ただ、紙に書いた文字を真上から撮影しないといけないから普通の三脚とかでは無理で、専用の台が必要になりそう。

そういう台が売られているかどうかは調べてないので知らないんですが、作るにしてもそれほど難しくはなさそうだから、自作してみることにしました。

要件: ノート撮影台

ということで、『紙に書いた文字を真上から撮影する台』っていうのを作っていくわけなんだけど、名前がないとさすがに不便なので、とりあえずノート撮影台と呼ぶことにしよう。

ネーミングセンスは気にしないで。分かりやすさ重視。

とりあえず、必要そうな機能を書き出してみました。

A4 用紙を使えるようにする

まず、用紙のサイズだけど、A4 の用紙を使えること。

最初は A5 でもいいかとも思ったんだけど、試してみたら、文字の大きさとか、図の描きやすさを考えると、やっぱり A4 がよかったんだよね。

ちなみに、用紙は普通のコピー用紙を使う。

傾斜をつける

次に、用紙をおく台に傾斜をつけたい。

Amazon で検索した感じだと、株式会社アスカ』の『どこでも学習台 DSK01』というのが僕のイメージに近いですね。

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商品ページに説明の画像があって、『傾斜をつけることで姿勢がよくなる』ってあるんだけど、まさに僕がこれで、もともと小学生のころからギックリ腰になるぐらい腰が弱いし、最近は肩がこって頭が痛くなったり眩暈がしたりするから、どうせ自作するだったら傾斜もつけたい。

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スマホを置くための台をつける

そして、スマホで撮影するので、スマホを置くための台をつける。

真上から撮影したいからスマホをおく台を真上につけたいんだけど、『台に傾斜をつける』って話だから、スマホを置く台にも同じ角度の傾斜をつけないといけない。そうしないと、斜めに写っちゃうからね。

メモ用紙(画角から外す機能)

次はメモ用紙の話なんだけど、数学の場合、答案とは別に、メモをとったり、検算をしたりといったメモ用紙が必要になるじゃないですか。

普通に答案の上にメモ用紙を置いて使うというのでも全然いいんだけど、せっかく自作するんだから、メモ用紙を簡単にカメラの画角にいれたり外したりできる機能をつけたい。

具体的にどういう仕組みにするかは、後で説明します。

LED 照明(明るさ調整)

最後に、LED で照明をつけたい。

僕の座っている席が蛍光灯の真下だから、自分の頭が影になって暗いというのもあるんだけど、スマホを置く台をつけると台の影が紙におちるので、どのみち暗くなるんだよね。

左右と上に LED をつけて、照明を作りたいと思います。

完成品の紹介

「どういうものを作るか」っていうのが言葉だけでは伝わりにくいから、ネタバレなんだけど、完成品の写真を見せながら説明します。

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↑ これが正面から見た写真。

A4 の紙をクリップではさんで止めます。レンズの効果か何かで紙が正方形に近く見えてるんだけど、実際はちゃんと横長の A4 ね。

スマホを上の台において、四角い穴から紙を撮影する。

両側についているのが LED を使ったライトです。

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↑ メモが必要になった時には、メモパッドを下げて、メモ用紙を使うことができます。

写真では分かりづらいけど、このメモパッドは左右にも移動させることができる。

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↑ 使わないときには両側のライトを折りたたんで、ちょっとだけコンパクトにできる。

大きな機能としては、こんな感じね。

設計: 寸法

具体的な設計に入るまえに、パッドの傾斜の角度と、スマホの高さについて決めよう。

大きくて画面に入りきれてないですが、だいたいの寸法がこれです。

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細かいところは後で決めていくんだけど、ここで重要なのは、A4 の用紙が収まるくらいパッドを広くすることと、パッドの傾斜の角度がちょうどいいことと、スマホのカメラが用紙の中央を写せて、かつ A4 用紙全体が入る高さに置くということね。

パッドの傾斜は 17 度にします。この角度に特別な意味はないんだけど、ダンボールの板に手を載せて、適当に傾けてみたら、このくらいが僕にはあってるみたい。

スマホを一番上の傾斜がついている部分に載せるんだけど、レンズの視線が用紙の中央に垂直にあたるように、アームの長さと、角度を決めました。

パッドは 17 度傾いているから、これだと真上から撮影しているのと同じ映像をとれるはず。

設計: メモパッド

注意: このセクションは動画で見ないと分かりにくいです。

次に、メモ用紙を置くためのメモパッドについて説明と、簡単に設計をしよう。

メモ用紙とは何かというと、数学の答案を作成するときに、ちょっとしたメモを書いたり、検算をしたり、図を書いたりするような紙のこと。

メモ用紙はあくまで一時的に使うだけだから、使うときに画面の中にいれて、不要になったら画面の外に出すというような使い方をするのね。

答案用紙は左半分と右半分に分けて使うから、左半分を使っているときにはメモ用紙は右に置きたいし、右半分を使っているときはメモ用紙を左に置きたい。だから、メモパッドも左右に動かせるようにする必要があるんだよね。

最初は、メモパッドを軸にそって左右に移動できるようにして、使いおわったら、左右に動かして画面外に出してしまうという仕組みを考えてたんだよね。

でも、これだと問題が 2 つあって、横につけるはずの LED の照明が邪魔になってしまうのと、軸を伸ばさないといけないから、とんでもなく横に長くて邪魔なモノができあがってしまう。

いろいろ考えた結果、軸に沿って上下に回転させるという仕組みにしました。これなら横の LED は邪魔にならないし、軸も長くしなくていいから、さっきの問題を解決できる。

各部名称

具体的な設計にいくまえに、パーツが多くて分かりにくいので、それぞれの部分に名前をつけよう。

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これはさっき見た完成品の画像だけど、オレンジの部分、これは A4 の用紙を載せる板で『メインパッド』と呼ぶことにします。答案の下に敷くから、『下に敷く』というイメージのある『パッド』という名前にしました。

赤の部分は『メモパッド』と呼ぶことにします。メモ用紙を載せる部分なので『メモバッド』ね。メモパッドはメインパッドの上に載っていて、左右と上下に動かせる。

ちょっと見にくいんだけど、青の部分を『ベース』と呼ぶことにします。ベースは蓋のない箱のような形になっていて、上の部分は 17 度の傾斜がついている。ベースにオレンジ色のメインパッドを載せることで、メインパッドに傾斜をつけます。すべてのパーツの基になっているので『ベース』という名前をつけました。

緑色のパーツは『サイドライト』。左右に 1 つずつある。『左右の端』というイメージのある『サイド』という単語を入れました。

水色の部分は、スマホを載せる部分、『スマホホルダー』を略して『ホルダー』と呼ぶことにします。

ホルダーを支えているのが、紫とピンクの部分で、紫を『ポール』と呼ぶことにします。縦の柱のようなものを『ポール』と呼ぶのは納得できるんじゃないかな。ちなみに、隠れてるけど、ポールはベースを下に突き抜けて、一番下まで伸びてます。

横に伸びたピンクの部分を『アーム』と呼ぶことにします。『腕』という意味だけど、ロボットのアームとかは横に伸びてるイメージがあったから、アームと呼ぶことにしました。

最後に、かなり見にくいけども、ここの茶色の部分にも LED の照明がついてます。これは天井側についているから、天井という意味の『シーリング』をつけて、『シーリングライト』と呼ぶことにします。


これから FreeCAD というフリーソフトで設計をしていきます。

普通は 1 つのファイルで全部のパーツを設計するんだけど(たぶんね)、メインパッド周辺とホルダーは 17 度の傾斜がついているから、設計がやりにくいんだよね。

全体を 3 つの部分に分けて、それぞれを傾斜をつけずに、別のファイルで設計していこうと思います。

分割としては、メインパッド・メモパッド・サイドライト。これらはすべて 17 度の傾斜がついていて、物理的につながっているので、まとめて設計します。

ベース・ポール・アーム・シーリングライト。これらは傾斜がゼロなので、まとめて設計します。この 4 つまとめて『フレーム』と呼ぶことが今後あるかもしれない。

最後にホルダーのみ。これもメインパッド周辺と同じ 17 度の傾斜なんだけど、メインパッドとは物理的に離れているから、別に設計したほうがいいかな。

パーツ選定

使用する素材だけど、基本的にはほとんどのパーツにダンボールを使うつもり。特別なものじゃなくて、スーパーとか無料でもらえるやつね。

メインパッドとメモパッドの下敷き部分には、PP 板というプラスチック製の板を使います。0.75mm の厚さのもので、結構な大きさのものをダイソーで売ってる。色が何種類かあったと思うけど、半透明のものを使います。下手に色がついてたりすると、透けちゃう可能性があるからね。

その他にもいろいろ使うんだけども、パーツが多くて大変だから、その都度、説明します。

基本的には、100 均とかで簡単に安く入手できるものを使うつもり。

さいごに

はい、今回はここまでです。

今回作製した設計図とかは GitHub にアップロードしてますので、もし作ってみたいという人がいれば、参考にしてください。

では、ここまで見てくださった方、本当にありがとうございました。

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ゼロ・インピーダンスの Kenn でした。

      2020/06/14

 - 工作, 電子工作